2021年12月の記事 (1/1)
- 2021/12/27 : 第一次世界大戦中の美談 [感動秘話]
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★敵兵を撃たなかった兵士の決断は正しかったのか?
(リヴィエラ倶楽部のクリスマスメッセージより抜粋)
ドイツ兵の逡巡
第一次世界大戦の独仏戦での出来事です。
戦闘中に負傷したのか、フランス兵の首には大きな傷跡がありました。それは双眼鏡でもはっきりと見えました。
彼は即座に銃を手にしてフランス兵を撃とうとしました。
その時、彼の心に迷いが生じました。
決断
同じように寒さに震えていたドイツ兵は軍人らしからぬことを考え始めました。
「あいつも俺と同じ人間なんだな・・・」
クリスマスが近づいていました。
きっとずっと会えずにいる家族や恋人の写真でも見せ合っているのだろうと彼は思いました。
寒いはずなのに、何故か体が温かくなっていく不思議な感覚を抱きながら、彼は敵兵を撃たないという決断を下しました。
彼は自分が軍人であることをしばし忘れ、物思いに耽っていました。
「撃たなくてよかった」と。
囚われの身となり・・・
気がつけば彼はフランス兵に包囲され、身動きが取れなくなっていました。
彼は両手を挙げて降伏の意思表示をした後、仏軍の捕虜となりました。
捕虜としての日々は凄惨を極めました。
後悔
人の心は善と悪の間を往来します。
ある日、彼は仏軍兵士の軍事行進を目にしました。餓死寸前の自分とは裏腹に整然と列を成し、勝ち誇ったように行進を続ける敵兵を見て、彼は激しく憤りました。
「こいつを撃ち殺しておけばよかった」と。
あの時、迷わずに撃っていれば自分は難を逃れることができた。こう思った彼は軍人失格ともいえる己の気質を呪いました。
運命の不思議
終戦後、彼は軍人から外交官に転身しました。赴任地は皮肉にも忌まわしい記憶に満ちたフランスでした。
彼はフランスの文化になかなか馴染めず、帰国する日を待ち望んでいましたが、ある日、非常に気の合うフランス人の政治家と出逢いました。
正しかった選択
この政治家との会談中、彼はあることに気づき、はっとしました。
政治家の首に大きな傷跡があったのです。
ふと、そんな疑問が脳裏をかすめましたが、不慣れな英語で込み入った話をすることが煩わしく、結局、その件には触れぬまま会談を終えました。
取り立てて何が楽しかったというわけではないのです。
旧敵国の人間となんのわだかまりもなく、ごく普通に語り合えたことが二人を幸せにしたのでした。
手を握り合った瞬間、ドイツの元軍人は遠い昔の「あの決断」をしみじみと思い返していました。
「撃たなくてよかった」と。
首に傷を負った目の前の男があの時のフランス兵であろうとなかろうと、「撃たなくてよかった」と。
リヴィエラ倶楽部

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