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フィリピン語学留学 Part2

フィリピン語学留学2 
有名なジョーク


 フィリピンはスペインとアメリカの支配を受けた歴史を持つ国である。第二次大戦直後、フィリピンでは、次のようなジョークが流行した。

 スペイン人は偉大な宗教(カトリック)を残してくれた。
 アメリカ人は偉大な教育制度を残してくれた。
 日本人は何も残さなかった。

 最後の一行が日本人には不愉快でならないが、最近では日本を評価する人が増えている。戦後、日本は東南アジア各国に莫大な賠償金を支払ったが、日比両国は高山右近の時代から長い友好の歴史があるためか、東南アジア諸国の中でも、戦後の日本はフィリピンに特別な貢献をしてきた。

                       
日本政府のプレゼント


 戦時中、日本軍に追い詰められ、”I shall return.”(「戻ってくるぞ!」)の絶叫とともにオーストラリアに逃れたマッカーサー元帥が”I have returned.”(「戻ってきたぞ!」)の名台詞とともにカムバックしたのはレイテ島であった。そのレイテのすぐ隣にあるサマール島は、言語学的には同じ言語圏(ワライ語)であり、文化人類学的にはほぼ同一文化圏でありながら、フィリピン全土の中で最も貧しい島と言われる。物資の供給はレイテの州都、タクロバンからの運搬に依存しているが、アクセスの利便化のためにはレイテ・サマール間を結ぶ瀬戸大橋のような強大なブリッジが必要であった。戦後賠償事業の一環としてこの大橋(サンワニコ・ブリッジ)を我が国が無償で建設したためか、レイテでもサマールでも総じて日本人に対する好感度は高い。しかも、その大橋はレイテとサマールの頭文字であるSとLをつないだデザインになっている。芸術をこよなく愛し、何事にも芸術的な付加価値を求めるフィリピンの人々にとって、これは素晴らしいプレゼントになった。

 六本木にあるフィリピン大使館は日本政府がフィリピン政府に無償で提供した土地の上に建っている。こればかりではない。新聞等で報道されることはまずないが、今でも日本政府や外務省の外郭団体であるJICAはフィリピンの政治家、実業家などをアゴアシ付きで招待し、様々な研修を無償で施している。私はこのような研修で来日するフィリピン人の通訳を数え切れぬほど経験した。皆一様に日本への感謝の念に満ちていた。当然といえば当然であろう。日本からの恩恵を受けている人々が日本の批判などするわけかがない。

                        
戦時中のひどい話


 フィリピンの奥地に行けば、戦時中に日本兵から非人道的な扱いを受けたという恨み節にも出会うことになる。赤ん坊を串刺しにされて殺されたというような信じ難い話も至るところで聞くことになる。悪魔的な異様な雰囲気が全世界を覆い、人類全体が血で血を洗うような浅ましき殺戮行為の奴隷となっていた20世紀中葉の出来事であれば、このような話も真実には違いない。マレーシアあたりに行けば、そのようなひどい話は山ほどあり、一部の兵士の暴走とはいえ日本人である私までも当時の日本兵を恨みたくなる。

                            
ゆるしの文化


 しかし、過去は過去、今は今と割り切れるところがフィリピン人の素晴らしさである。中国や韓国の人との最大の違いがそこにある。この背景にはスペイン人が残した宗教(カトリック)の影響が極めて強いように思われる。カトリックに限らず、プロテスタントも含め、キリスト教の教えの根幹の一つは「他人の過ちを赦すこと」にあると言われる。フィリピン人の85パーセント以上を占めるカトリック教徒は日曜日に教会で次のように祈る。

Forgive us our trespasses as we forgive those who trespass against us.
(我等が人に赦す如く、我等の罪を赦したまえ)

 有名な「主の祈り」(主祷文)の一節である。人間は誰もが罪びとなので、自分のことを棚にあげて人のことを責めるべきではないという考えが根底にある。人の罪を赦さなければ自分の罪も赦されない。これこそがキリスト教の最も大切な教義の一つである。キリスト教徒でなくても知っている聖書の有名な話にこんなものがある。

                            
マグダラのマリア


 マグダラのマリアという売春婦が姦通の現行犯で捕らえられた。当時、ユダヤ人には律法と呼ばれる掟があり、それによれば、姦通の罪を犯した者は石打ちの死刑に値するとされた。自ら苦しむ人の友となり、時には律法違反まで犯して、見知らぬ人を助けたキリストを律法学者や祭司たちは「反逆の革命児」と見做し、激しい怒りに震えていた。そのため、意地悪の限りを尽くしたと言われる。全てはキリストを捕らえ処刑するための口実を作るためであった。律法学者はキリストがこの女を助けるかどうかを試した。もしキリストが女を庇えば、聖なる律法を踏みにじったことになるので、それも訴状の一つになる。

「律法によれば姦通罪は死罪だ。おまえはどう考える?」
 この問いに対し、キリストは
「あなたがたの中で罪のない者だけが石を持ち、この女に投げるがよい」
と答えた。今の時代であれば、「俺には罪がない」と言い、多くの人が石を投げつけるような気がしてならないが、当時の人々は純情だったとみえ、一人また一人と去っていった。誰もいなくなったところで、キリストはマグダラのマリアに
「行きなさい。もう罪を犯してはならない」
 と諭したという話であるが、映画や芝居でこのシーンを見た人は少なくなかろう。

                            
韓国人への反感


 こんな話を子供の頃からよく聞かされている国民であれば、寛容の精神が育まれるのであろう。アジアの中で反日感情が少ない国になるのも頷ける。今回のフィリピン紀行において、私は政府関係者、実業家から一般庶民、貧民に至るまであらゆる階層の人々と接触を持ったが、総じて親日家が多かったのは嬉しいことであった。ところが、日本を褒めるフィリピン人がどういうわけか韓国人に対しては不満をこぼすのである。

 アメリカに本拠を置く多国籍企業で働くD氏(セブ島統括マネージャー)はこう語った。 
「日本人は契約を締結するまで細かい注文をつけてきて面倒だが、いざ契約をすれば絶対に裏切ることはない。冗談もあまり言わず、真面目すぎて怖くなる時もあるが、非常にマナーが良く、自分は尊敬している」
「冗談を言わないというのは事実に反する。人を笑わせるほどの英語力がないだけだ。彼らも日本ではフィリピン人のように冗談ばかり言っているのだ」
と私が言うと、
「そうか。それなら、もっと尊敬できるな」
 と言い、彼は白い歯を見せてにこっと笑った。そんなお人好しの彼が韓国人の話題になると急に険しい顔つきになる。
「韓国人は交渉の時に無理難題を押し付けてくる。声もでかくマナーも悪い。煮え湯を飲まされる思いで、ことごとく無理な条件を飲み、やっとの思いで契約にこぎつけると、平気でキャンセルするから困るよ」
 これと似たような話をフィリピン滞在中に何度聞いたことか。一人や二人の戯言であれば、個人的な意見にすぎない。しかし、こちらが韓国人の話題に誘導しているわけでもないのに、誰と話しても、どこからともなく韓国人の話題が浮上し、韓国人の批判が飛び出すというのは一体、どういうわけなのだろう。

                            
韓国人批判鳴りやまず


 D氏の家の玄関の外でめくるめく陽光を浴び、煙草をふかしながらもの思いに耽っていると、低賃金労働者か浮浪者かもしくはその中間にあたる人とおぼしき男が寄ってきた。煙草を一本恵んでくれという。フィリピンではよくある「煙草乞い」である。これでその人の属するクラスがすぐにわかった。下層階級ではあるが、一応、住む家はあるというレベルの人である。煙草は乞うことがあっても、お金を乞うことはない。義務教育は受けているので英語も普通の会話くらいは難なくこなす。彼とはしばし雑談を楽しんだ。
「セブアノ語(現地語)が話せなくて悪いな」
 と私が切り出すと、流暢ではなくてもまともな文法とそこそこの発音で
「いや、俺も久々に英語を話すので、練習になって助かる」
 とキザなことを言う。会話が弾むうちに
「あんたは日本人か?」
 と聞いてきた。私が「そうだ」と答えると、
「日本人とは思えないほどきれいな英語を話すな」
 と褒めてきた。
「日本人の英語を聞く機会が頻繁にあるのか?」
と聞くと、
「ああ。日本人にも韓国人にもよく会うよ」
 と、ここでまたしても韓国人の話題になり、なんとも言えぬ嫌な予感が全身を走った。実を言うと、私はちょっとした韓国びいきで、前述の大学教授をはじめ多数の友人が韓国にいる。又、「冬のソナタ」のような韓国ドラマを高く評価している。つい最近はNHKホールで開催された韓国人歌手、ソン・シギョンのコンサートに行ってきたばかりである。(女性ばかりの中で完全に浮いていた)
 
 嫌な予感は見事に的中し、彼は韓国人への批判を始めた。
「韓国人は俺たちフィリピン人を見下すような態度をとる。少しばかり金を持っているから威張っているんだろうが、この国においては、金持ちを羨ましいと思う人はいても、金持ちであるというだけの理由で、その人の社会的成功や高学歴に対して敬意を表する奴は一人もいないってことに連中は気づいていない。人間にとって一番大切なものはハートさ。その点、日本人は心の優しい人が多い。俺に煙草を恵んでくれて、俺みたいな下々の人間に対しても決して偉ぶることなく普通に会話ができるあんたは典型的な日本人だよ。英語のうまさを除いてな」
 と実にウィットに富んだスピーチをしてきた。これにはちょっとぐっときた。

                            
体験という名の学習

 
 彼は私との会話が「英語の練習になる」と言ったが、それは私にとっても同じであった。フィリピンで初対面のお偉いさんと話をする時は、うっかり文法ミスでも犯せば自分の信用に傷がつく。それが自由自在に会話を運ぶ妨げになることも少なくない。しかし、彼のような一般庶民との会話にはなんの緊張感もないため、話すスピードも速くなるし、自分でも驚くほどネイティブ風の英語が次々と口から出てくることもある。語学留学では、まともな教室で優秀な講師の講義を聴くわけだが、それはそれでとても大事であるとしても、さすらいの旅の道中で出会う現地人とのふれあいも正式な語学留学と同等の価値を有するものであると私は思う。

(Part3へ続く)


リヴィエラ倶楽部 佐々木智親
(最強攻略法・海殺しXの開発者)

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