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フィリピン語学留学 Part3

フィリピン語学留学3 
テーブル一個からの出発


 道端で出会った男と別れてから私はTanburiというセブ有数のリゾート地に向かった。D氏がビーチでのバイキングランチを予約しているという。D氏はフィリピンで最も偏差値の低い大学を卒業した男である。日本以上に学歴重視のフィリピンでは経済事情の悪さも手伝って、まともな大学を出ても、強力なコネでもない限り、なかなか能力に見合った仕事に就くことができない。大学院進学率の異常な高さがそれを物語っている。D氏もこの学歴差別に何度も泣き、新婚ほやほやのマニラ在住時代は子供に与えるミルクすら買うことができなかったという。ついに安アパートの家賃も払えなくなり、妻子を連れて田舎に帰るしか道はないと覚悟を決めた時に思わぬ援軍が現れた。青年時代にマニラのカトリック教会で知り合った友人が出世して、サイドビジネスとしてアパート経営を始めていた。そこにしばらくの間、無償で住んでよいという話が持ち上がったのである。九死に一生を得たD氏はそのアパートにもぐり込み、なけなしの金をはたいて一個の冴えないテーブルを買ったという。

                           
成功の陰に努力あり


 「テーブルがあれば、自然と食欲が沸いてくる。このテーブルにおいしい食べ物を乗せるためには、歯を食いしばって働く必要がある。私はこのようにして自分を追い込み、徐々に生活レベルを上げていった」   
 と彼は述懐した。
「はじめは、狭い部屋にテーブル以外の家具が何もない状態だった。気がつくと夫婦一組分のベッドがあった。しばらくすると、食器棚も入っていた。やっと、まともに食えてまともに寝ることができるようになったというわけさ」
 彼は遠い彼方に視線を投げてこう語ると、一粒の涙が頬をつたって流れ出した。
「湿っぽい話になっちまったな。enkaの題材になるか?」
 不意に質問された私は
「このくらいのことでは、演歌にはならないが、それにしてもよく日本のことを知ってるな」
 と返すのが精一杯であった。日本のことを知っているというよりも、私が演歌好きであるという情報まで仕入れていた彼に感心することしきりであった。

                          
美しきハイビスカスと男の友情


 Tanburiの海は輝いていた。ハイビスカスの花があたり一面に咲き乱れていた。スーパー海物語IN沖縄のハイビスカス・フラッシュを遥かに上回る感動がそこにはあった。食事の席につくと、若かりし頃のD氏を窮地から救った恩人、E氏を紹介された。若い頃から出世組であったE氏は現在、自分の会社を持っており、アメリカの病院をクライアントにアウトソージング事業を営んでいる。D氏は若い頃に無償でアパートを提供してくれたE氏への恩返しとして、このリゾート地に招待したという。目の前で展開された男の友情物語に今度は私が泣いた。

                                
経営談義


 E氏と私は初対面であるにもかかわらず、妙に気心が通じ合い、いろいろな話をした。大学院で経営学を学んだインテリのE氏は日本型の経営、台湾型の経営など幾つかのモデルを研究しているうちに、日本文化にも興味を持つようになり、英文で書かれた日本史の本や武士道の本などを読み漁ったという。映画「ラスト・サムライ」にも感動したという。
「ケン・ワタナベは素晴らしい役者だ」
 と何度も繰り返し絶賛していた。

 その後、話題が経営の話に及んだので、私は自分が盟友とともに『リヴィエラ倶楽部』なる組織を立ち上げ、インターネット上でパチンコ攻略法(最強攻略法・海殺しX)を販売していることを打ち明けた。日本では、パチンコ攻略法を偽物ばかりの詐欺まがい商法と決めつける人が少なくない。実際、販売されている攻略法の大半がインチキであることは否めない。真の攻略法を廉価にて販売している我々にとっては、そのような世論はたまらなく腹立たしいものである。しかし、日本人でなく、そんな偏見はもとからないE氏は興味深く私の話に聴き入り、経営のプロとしての観点から有益なアドバイスの数々をレクチャーしてくれた。私にはまともな職業(英語通訳)があるが、海外で裏の顔(パチプロ)を明かしたのは今回のE氏がはじめてである。何故か心を許せる雰囲気がE氏にはあった。二人の会話を傍で聞いていたD氏が飛び上がり、
 「なんという組み合わせの兼業だ!」
 と腰を抜かしていたのが面白かった。

                          
ジェットスキーの誘惑


 食事の後は浜辺でビリヤードやカードゲームに興じていたが、四方八方に咲き乱れるハイビスカスが私を誘惑してやまなかった。ハイビスカスの花を見てスーパー海物語IN沖縄を連想してしまうのは職業病といってよい。私はスーパー海物語IN沖縄の沖縄モードで出てくるジェットスキー・リーチを思い出した。普段はフィリピンの海に潜り、魚群に出会って喜ぶ私であるが、今回はスキューバダイビングでなくジェットスキーをやってみたくなった。

 早速、ダイブショップのオーナーに会い、ジェットスキーを持っているかと尋ねたところ、「シーズンオフだが1台だけは用意してある」という。結構な値段ではあったが、スーパー海物語IN沖縄でジェットスキーを見事に操るワリンちゃんのように、誰も泳いでいない広大な海を思い切り疾走してみたいと私は思った。今回のフィリピン紀行において、旅費、交通費、宿泊費の大半は身銭を切っていない。食事も常に誰かの接待に預かったため、結局、成田―自宅間の交通費も含めて、かかった費用は3万円にすぎなかった。この3万円の約半分がたった1時間のジェットスキーで消えた。

                       
常夏の国で歌った「冬のリヴィエラ」


 はじめて操縦するジェットスキーの味は格別であった。私は常夏の国の海上で、「冬のリヴィエラ」を歌いながら猛スピードでジェットスキーを走らせた。何故、冬でもないのに「冬のリヴィエラ」を歌ったのか。リヴィエラ倶楽部の由来(http://www.umigoroshi.com/club.html)ともなったこの歌のあるフレーズを思い切り叫んでみたかったのである。

♪人生って奴は思い通りにならないものさ♪

 人生はなかなか思い通りに進んでいかない。しかし、どんなに辛いことが多くても、どんな逆境に陥っても、そこには必ず幸せもあるというのが私の信条である。今の自分の仕事も最初から志したものではない。サラリーマンにはない辛さも多い。しかし、ゴールデンウィークでも夏季休暇でもないこの時期に優雅にジェットスキーを楽しむことができるのも、よくよく考えれば幸せなことであろう。

(Part4へ続く)
リヴィエラ倶楽部 佐々木智親
(最強攻略法・海殺しXの開発者)

パチンコのことはおまかせ


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