コズエンという名の3人組
当倶楽部が応援する女子プロレス団体「スターダム」にCOSMIC ANGELS(コズミックエンジェルズ=略称コズエン)という不思議なユニット(選手グループ)があります。
コズミックエンジェルズの初期メンバー(左から白川未奈、中野たむ、ウナギ・サヤカ)
「宇宙一かわいいアイドルレスラー」の異名を取る(実は自称しているだけ)中野たむ選手が白川未奈(通称チャンミナ)、ウナギ・サヤカ(通称ウナ)両選手を率いて結成した新チームなのですが、全員がアイドル出身ということもあり、今、大変な脚光を浴びています。
アイドルレスラーなのに全員が30代という事実も異彩を放ちます。(※スターダム所属選手の大半は10代、20代の女の子)
最弱なのにチャンピオン
コズエンは人気はありますが、スターダムに存在する5つのユニットの中で間違いなく最弱のチームです。
ところが、コズエンはアーティスト・オブ・スターダムという3人タッグのベルトを保持しており、しかも、最多防衛記録まで樹立しました。
リーダーのたむちゃんだけが突出して強く、残りの二人は約25人の所属選手の中で下から数えて五本の指に入りかねない弱さです。
シングルマッチではほとんど誰にも勝てない二人ですが、タイトルマッチには滅法強く、いつもクレバーな試合運びでタイトルを防衛します。
特にチャンミナは青山学院大学英文科卒だけあり、頭が切れます。
チャンミナもウナもピンチになると、いつもボス(たむちゃん)に助けてもらいます。単体では挑戦者組の選手とまともな勝負にならないため、合体攻撃などで要領よく相手にダメージを与えます。
得意の勝ち方
たむちゃんは誰もが認めるトップレスラーですので、試合終盤、リング上に一対一の状況さえ現出すれば(=相手チームの妨害行為がなければ)、誰の手も借りずに、孤立した相手選手を仕留めるだけの実力があります。
たむちゃんに勝機が訪れたことを察知するや否や、チャンミナとウナは一目散にリングコーナーから降りて、試合権利のない相手チームの二人と場外乱闘を始めます。
たむちゃんの必殺技を食らった選手を救出すべく、相手チームの二人は急いでリングに入ろうとしますが、チャンミナとウナがそれを許しません。
リングに入ろうとする選手にしがみつき、足を掴んだり、胴に手を回して抱っこするようなポーズで敵をリング内に入れさせないのです。
チャンミナもウナも敵のカットプレー(試合権利のない選手がノータッチでリングに乱入して味方を助けること)を阻止する力だけは超一流です。
チャンミナとウナは勝つためには手段を選びません。恥も外聞もかなぐり捨てて、ベルトを死守します。
いつもこんな試合展開ですので、たむちゃんの体力消耗度は半端ではありません。企業にたとえれば、部長が懇切丁寧に新人社員二人の面倒を見ているようなものです。
毎日、6時間も残業して、自分の仕事もこなしつつ、本来は新人社員が上司を煩わせることなく自力でやらなければならない仕事まで手伝ってあげているような状態です。
営業活動にたとえれば、部長一人でプレゼンを行い、部下の二人は時折、会釈をする程度です。
一見無能のように見えて、部長の鞄からタイミングよく資料を取り出したり、部長が即答できない質問を受けると、すぐに携帯電話で本社に問い合わせるような機転の良さがあり、非常に気が利く二人です。
コズエンが嫌いな人たちはコズエンがタイトルを防衛するたびに、「コズエンが強いのではない。中野たむが強すぎるのだ」と主張します。
部下の育成に全力を注ぐ
事実、試合の大半はたむちゃんが戦っていて、いつもヘトヘトになっています。
しかし、たむ部長(?)は自分の驚異的なスタミナや孤軍奮闘に耐え得る強さを少しも誇ることなく、常に部下の功績を称え、「チャンミナとウナのお陰でまた勝つことができた。コズエンは個々の戦闘能力においては劣っているかもしれないが、絆の力ではどのユニットにも負けない」とファンを泣かせる台詞を吐くのです。
私はこういう謙虚な人が大好きです。
リヴィエラ倶楽部
佐々木智親(海殺しX開発者)
(いつも自分の手柄を部下の手柄にする優しい中野たむ・・・右端)
【追記】その後のコズエン
「白川とウナギは、たむのお荷物」という周囲の雑音に心を痛めながらも、チャンミナとウナは自己鍛錬に余念がなく、今では時折、トップレスラーからも金星を挙げる中堅レスラーに急成長した。その後、北海道大学法学部卒の才女、月山和香がコズエンの門を叩いた。
(月山和香・・・白川同様、女子レスラーの中では非常に珍しい大卒者。「まだ一度も勝ったことがない」という珍妙なギネス記録を更新中。負けるたびに泣いて悔しがる月山を他のメンバーが抱擁して慰める)
月山が伸び悩み、不名誉な連敗記録を伸ばし続けている頃、他団体のColor'sがコズエンに挑戦状を叩きつけた。Color'sバックボーンとなる興行会社が活動を停止したため、生き残りを懸けて活動の場をスターダムに求めてきたのである。
「敗者チームは勝者のチームの傘下に入り練習生の身分に甘んじる」という過酷なルールのもとで行われた6人タッグマッチ(中野たむ、白川未奈、ウナギ・サヤカ対SAKI、櫻井裕子、清水ひかり)は白川、ウナギが得意の場外戦術で敵軍を分断して、孤立した清水を中野がバックスピンキック→バイオレットシューティング→スターナースクリュードライバーの波状攻撃で仕留めた。
試合後、コズエンリーダーの中野は「かわいいだけかと思ったけど強かった」とColor’sの健闘を称え、「コズエンの下につかなくてもよい。ユニット名も残したままでよい。今後もColor'sとして自由に活動を続ければよい。対等な立場で連合軍を組もう」と呼びかけた。敗者を労わり、プライドを傷つけない提案を持ちかけた中野の思いやりにColor'sの全員が感動。
かくして、Color'sがコズエンに合流し、最弱、最小ユニットのコズエンはスターダムの最大派閥に成り上がった。
(コズエン入りしたColor'sのメンバー・・左からSAKI、網倉理奈、櫻井裕子、清水ひかり)

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2022/08/20 (土) [勝負師の魂]